月経とは、子宮の内側を覆っている子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに排出されることを言います。

月経は女性ホルモンの働きによって調節されており、思春期に初経を迎えてから閉経するまでの間、通常であれば周期は25~38日、持続日数は3~7日の範囲内で定期的に起こります。

そのため、女性ホルモンのバランスが崩れると、月経に異常が起こります。  

近年、月経の異常について悩みを抱えている女性が増えています。

 厚生労働省の平成16年国民生活基礎調査によると、月経のある女性全体では3人に1人、15歳~34歳の女性においては、なんと2人に1人が月経不順や月経痛といった月経の異常による症状を訴えており、平成10年と比べても増加傾向にあることが分かります。

さまざまな月経の異常と西洋医学における治療法 

月経不順

定期的な月経周期に乱れが生じ、正常範囲から大きく逸脱している状態をいい、「頻発月経」や「稀発月経」などに分類されます。 

○頻発月経 
周期が短くて頻繁に月経が起こる状態で、原因としては無排卵性のものと排卵性のものがあります。
無排卵性の頻発月経は思春期や閉経前によく起こり、月経が長く持続することが多いのが特徴です。
一方の排卵性の頻発月経は、卵胞期(月経が終わり、排卵が起こるまでの低体温期)や黄体期 (排卵が起こり、月経が始まるまでの高体温期)が短いために月経が早く起こります。
黄体期が短い場合、子宮内膜の状態が不完全で妊娠の準備が不十分になるため、不妊症などの 原因となることがあります。

○稀発月経 
頻発月経とは逆に、周期が長くて月経がたまにしか起こらない状態です。
頻発月経と同様に無 排卵性のものと排卵性のものがありますが、無排卵性の稀発月経の場合、まったく月経が起こらなくなってしまうことも少なくありません。  

頻発月経・稀発月経ともに、月経不順の治療としてはホルモン剤によるホルモン療法が一般的です。

月経前緊張症(月経前症候群)

月経の3~10日前から、さまざまな身体的・精神的症状(下腹部痛・腰痛・むくみ・吐き気・イライラ・・・など)が起こり、月経が始まると症状が消失または軽快する状態をいいます。 

原因は明らかになっていない面もありますが、黄体期における女性ホルモンの分泌異常が関係しているとされています。

軽症のものを含めると、月経のある女性の約半数が月経前緊張症を経験しているといわれています。 

西洋医学における治療は、薬による女性ホルモン療法が一般的に多く、また症状が強い場合には、その症状に応じて鎮痛剤や抗不安薬などが用いられます。

月経困難症

 月経時あるいはその直前から強い月経痛(下腹部痛・腰痛や吐き気・頭痛などの不快な症状が起こり、日常生活に支障をきたすほどの状態をいい、「器質性月経困難症」と「機能性月経困難症」に分けられます。

○器質性月経困難症
子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患が原因として関係しています。
治療としては、原因疾患に応じてホルモン療法や手術などを行うのが一般的です。

○機能性月経困難症  
原因となる疾患がないにもかかわらず、症状が起こる場合をいい、プロスタグランジン(PG) というホルモンが関与しています。
このPGはさまざまな働きをもち、体内の大部分で生成されているホルモンであり、子宮からは月経時や出産時に分泌されます。
月経時においては、PGは子宮収縮を起こして子宮内膜を剥離させるように働きますが、機能性月経困難症は、PGが過剰に分泌され、強度に子宮が収縮するために起こると考えられています。
治療としては、プロスタグランジンの合成阻害剤や経口避妊剤(ピル)の服用が一般的で、症状が強い場合は鎮痛剤や抗不安薬などによる対症療法が行われます。

漢方では

漢方の考えで「月経の異常」は、血の不足や滞り、気の不足や滞り、肝や腎の弱り、冷えなどが考えられます。 

よく用いられる漢方薬は、 逍遥散、桂枝茯苓丸、血府遂瘀湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、温経湯、五積散、十全大補湯、帰脾湯、当帰養血精、当帰芍薬散、六味丸、八味丸・・・  

漢方薬は、症状・体質によりことなりますので、漢方薬をお選びの際は当店にご相談ください。

月経異常の漢方カウンセリング

あなたの状態、予算に応じて、数パターン提案させていただきます。
漢方の内容や飲む回数、料金などから、お選びください。
1か月分で2万~5万円程度の方が多いです。半月分、1か月分などリクエストもお受けします。