日本皮膚科学会のガイドラインでは、アトピー性皮膚炎を『増悪・寛解を繰り返す掻痒のある湿疹を主病変とする疾患』と定義しており、診断基準としては、次の3つの項目を満たす場合にアトピー性皮膚炎と診断します。
①掻痒
主な症状として強いかゆみを伴います。
②湿疹
湿疹は左右対称に現れるのが特徴です。
一般に顔や関節部に多く見られますが、湿疹が出やすい場所は年代によって以下のように異なる傾向があります。
乳児期:主に頭や顔に始まり、悪化すると胸や背中、手足に広がります。
幼小児期:首回り、肘や膝の関節の裏側などによく現れます。
思春期以降・成人期:頭、胸、首、背中などの上半身に現れ、症状は重くなりやすい傾向があります。
③慢性・反復性の経過
乳児では2カ月以上、その他は6カ月以上の場合を慢性とし、③に該当すると考えます。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎を起こしやすい人は体質的に次のような素因をもつと考えられています。
①アトピー素因
アトピー性皮膚炎を患っている人の多くは、アトピー素因をもつとされています。
アトピー素因としては、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患の家族歴や既往歴をもつ場合を指します。
また、異物が体内に入った際にこれを 排除するという免疫機能のうち、IgE抗体を産生しやすい場合もアトピー素因に相当します。
②ドライスキンの肌質をもつ
皮膚の角質には水分を保持するセラミドがあり、また皮脂腺からは皮脂が分泌されて角質表面を覆っています。
ところが、セラミドの不足や皮脂分泌量が少なくなることで皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚が乾燥して皮膚表面が剥がれやすくなり、またアレルギーの原因物質の刺激を直接受けて炎症を起こしやすくなります。
こうした素因のうえに、食べ物やダニやホコリ、汗をかいたまま放置するなど複数の要因が重なることで、アトピー性皮膚炎は発症します。また、ストレスも悪化の大きな要因の一つです。
アトピー性皮膚炎の治療
まずアトピー性皮膚炎を悪化させる要因を取り除き、スキンケアで皮膚の乾燥を防ぐことが大切です。
スキンケアは、入浴で汗を洗い流した後、水分が逃げないよう奪われた皮脂の代わりに保湿剤を塗る方法が一般的です。
また、次のような薬物療法が症状の程度に応じて行われます。
治療で繁用されるステロイド外用薬は、適切に使えば効果が得られるものの、急に使用を止めることでリバウンドによる症状の悪化を起こす可能性もあります。
ステロイド外用薬による治療で一時的に皮膚炎が軽快しても、アトピー性皮膚炎を起こしやすい体質そのものは変わっていな いため、再発を繰り返すことも多いのです。
一方、漢方治療では内因の体質を徐々に改善することを目的にして治療が進められます。
◎アトピー性皮膚炎によく用いられる漢方薬
十味敗毒湯、消風散、防風通聖散、黄連解毒湯、温清飲、加味逍遥散、柴胡清肝湯、当帰飲子、補中益気湯、玉屏風散、小建中湯、味麦地黄丸 など・・・
漢方薬は、症状・体質によりことなりますので、漢方薬をお選びの際は当店にご相談ください。
アトピー性皮膚炎の漢方カウンセリング
あなたの状態、予算に応じて、数パターン提案させていただきます。
漢方の内容や飲む回数、料金などから、お選びください。
1か月分で2万~5万円程度の方が多いです。半月分、1か月分などリクエストもお受けします。