皮膚・粘膜の過敏な方。

出典 『一貫堂』

「この方の主治は原方の如くであるが、耳病、鼻病に限らず、解毒証体質の改善薬として広く応用される。清熱・和血・解毒の作用があって、青年期における腺病体質者に発する諸症に用いてよい。一般に皮膚浅黒く光沢を帯び、手足の裏に油汗多く、脈腹ともに緊張あり、主として上焦に発した鼻炎、扁桃炎、中耳炎、上顎洞化膿症等に用いられる」と『漢方後世要方解説』にある。

処方の特徴

荊芥連翹湯は「漢方一貫堂医学」の、いわゆる解毒証体質の改善薬の1つである。解毒証体質とは、「皮膚・粘膜の過敏な方」の体質である。皮膚や粘膜が過敏なために、慢性鼻炎や蓄膿症、あるいはニキビなど、呼吸器系や皮膚の病気にかかりやすい体質で、適応の病証は「肝鬱血虚兼肺熱」。
解毒証の人は、また神経も過敏でイライラ落ち着きがなく、皮膚の新陳代謝が悪く皮膚がカサついたり、炎症を繰り返して皮膚や粘膜が黒ずむなどの特徴がある。

効能・効果

体力中等度以下で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの 次の諸症:

蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび