うっ血しやすく、下腹部に痛みがある方。

出典 『金匱要略』

「婦人もとより癥病(血塊、腫物など)あり、経断ちて未だ三月に及ばず、而して漏下(子宮の不正出血)を得て止まず、胎動臍上に在る者は、癥痼妊娠を害す(腹の中のしこりが妊娠を邪魔している)と為す。 血止まざる所以の者は、其の癥去らざるが故なり。当に其のを癥下すべし、桂枝茯苓丸之を主る」

処方の特徴

桂枝茯苓丸は、うっ血などを起しやすい、いわゆる瘀血 (血行障害)というの病変に、顔や手足にむくみ (水滞)などが からむ場合、すなわち「血瘀痰飲」の証に、女性によく用いる処方である。
瘀血の場合は、ふつう軽い打撲などですぐうっ血し、月経血は青紫色で月経不順や月経異常があり下腹部に痛みを伴い、青紫色のアザやシミができやすい傾向がある。また、口唇の色が紫色がかっているとか、末梢静脈の循環が悪く時になったり、シモヤケができやすい。

効能効果

比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、 しみ、湿疹・皮膚炎、にきび