食べると眠くなり、疲れやすく朝寝起きの悪い方

出典 『医学正伝』

「脾胃虚弱、飲食思うこと少なく、或は久しく瘧痢(悪寒発熱を伴う下痢)を患い、若しくは内熱を覚え、或は飲食化(消化)し難く、酸を作し(異常発搾し)、虚火(疲労、消耗、損傷などによる発熱、炎症) に属するを治す。須らく炮姜を加えて其効甚だ速かなり」(万病回春)

処方の特徴

六君子湯は、胃腸が弱くて疲れやすい方の処方。現在の若い方に比較的この六君子湯が適応する方が多いです。
病態は、胃腸の働きが弱い(脾胃気虚)のに加えて痰湿(胃腸の水滞)が生じたもので、この脾胃気虚兼痰湿の病態は、冷飲料水や果物などが多く摂取されることも原因になり、現代病といわれるアレルギー性鼻炎や気管支喘息の発病の背景にもなっているようです。食欲が少ない、食べると眠くなり、疲れやすく朝起きにくいなどがこの病態の特徴です。

効能効果

体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えや すいものの次の諸症:
胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐